音楽浴第3回目はBAD COMPANY(バッドカンパニー)。
第1回、第2回で紹介したBON JOVIが彼らの曲をカバーしていたのがキッカケで聴いてみることにしたアーティスト。
BAD COMPANYとは?
前身ともいえるバンドFREEで一緒に活動していたポール・ロジャースとサイモン・カーク、そこにミック・ラルフスとボズ・バレルを加えた4人で1974年にデビューした、イギリスのブルーズロックとアメリカのカントリーやブルースを絶妙にブレンドしたロックバンド。
メンバーの出入りをしながら現在もオリジナルメンバー3人が在籍する形で活動を続けている。
ボーカルがポール・ロジャースの時期(結成時、近年)が正史で、2代目ブライアン・ハウ、3代目ロバート・ハートの時期は闇歴史扱いになっている。それぞれ良い歌い手だし3代目なんて素晴らしい声の持ち主だと思うけどなぁ。
「Straight Shooter」とは?
BAD COMPANYの2作目。1作目に続き英米でヒットした。
“Good Lovin’ Gone Bad” “Feel Like Makin’ Love” “Shooting Star” がTOP10入りのシングルヒット。
“Shooting Star” はアメリカのロックチャートで1位獲得している。
この曲はドラッグ依存で亡くなったミュージシャン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソンたちに捧げられた曲と言われている。
前身バンドのFREEのギタリスト、ポール・コゾフもドラッグ依存で亡くなっていて、彼に捧げられたのではないかという話もあるようだけども、亡くなったのは1976年3月、アルバムの録音が行われたのは1974年9月なので、亡くなった事に対しての曲ではなさそう。
いや、それはどっちでもいいんだ。とにかくこの曲は切なくて物悲しくて心を打つ。
収録曲
- Good Lovin’ Gone Bad
- Feel Like Makin’ Love
- Weep No More
- Shooting Star
- Deal With The Preacher
- Wild Fire Woman
- Anna
- Call On Me
個人的な思い入れ
BON JOVIのボーカルJon Bon JoviとギターのRichie Samboraがアコースティックギターで披露した “Shooting Star” がとても良く、これがキッカケで聴いてみようと思い、手をした。
Paul Rodgersが作ったブルースの大御所Muddy Watersのカバーアルバムに同時期に聴いていたJeff Beckが共演してたこともあってポール・ロジャースを聴いてみようブームが起きていた。
聴いてみたらBAD COMPANYいいじゃない。1曲目の “Good Lovin’ Gone Bad” のギターからグッとくる。
アメリカンな香りをさせたブリティッシュロック。この調合具合が受け入れられてヒットしたんだろうね。今聴いてもバランスのいい立ち位置だと思う。特に今はデジタルリマスター版が出てて、このバージョンで聴く分には現代の音楽と遜色のない迫力ある音質で楽しめる。
結果すっかりこのバンドが好きになってしまって、ポール・ロジャースが不在の間の時期も愛せるようになりました。二代目Brian Howe時代はハードロック全盛の時期に合わせて、BAD COMPANYもアリーナロック寄りに。三代目Robert HartはPaulに似たブルースロックを感じさせるボイスの持ち主。どの時期の作品、声も愛せます。
とはいえ自分にとっての原点はこの「Straight Shooter」と次の「Run With The Pack」。
いい形が見つかってきた2作目と、完成形が放つ3作目。どちらも捨てがたい。ぜひ順に2作品聴いてほしい。あ、もちろん1作目も。
今でも聴く価値
今も昔もブリティッシュロック最高峰のボーカリストと称されるPaul Rodgersが、20代中盤のイケイケの時に録音したアルバムというだけでも十分に聴く価値あり。
この時はまさか同時期に活躍していたQUEENに参加する事になるとは夢にも思ってなかっただろう。同じ年1975年にQUEENは 時代を代表する名曲”Bohemian Rhapsody” を含む「A Night At The Opera」を発表している。
1991年にボーカル、フレディ・マーキュリーが亡くなって以降、QUEENの活動はほぼ止まっていたが、2005年にポール・ロジャースが参加して「QUEEN+Paul Rodgers」として2009年まで活動し世界中をツアーした。
見てよこの堂々たる歌唱。この男の若かりし頃の雄姿が収められたレコードが「Straight Shooter」ですよ。ちょっと強引ですが。