満を持してTHIN LIZZY “Black Rose: A Rock Legend”を取り上げる

   2017/08/19

3月17日はSt Patrick’s Day(セントパトリックスデイ)、アイルランドの祝日。

 

この日に合わせて、Billboardでは「Top 10 Irish Musicians of All Time」、チャートで活躍したアイリッシュミュージシャンTop10を紹介し、Rollingstone.comのフェイスブックアカウントは2014年の記事「An Ode to the Best St. Patrick’s Day Song: Thin Lizzy’s ‘Black Rose’」を取り上げた。

 

 

 

いやぁ~THIN LIZZYが登場してしまっては一本記事を書かねばなるまい。

 

シン・リジィは70年代に活躍したアイルランドのハードロックバンド。

僕がもっとも愛するバンドであることは置いておくとしても「アイルランドの英雄」と称される存在であるこのバンドは、アイリッシュミュージックの旋律を含みつつ、ブルースロックからハードロックへと昇華し、その過程で数々のギタリストを輩出したアイルランド最重要バンドの一つだ。

 

先日とりあげたJohn SykesもGary MooreもTHIN LIZZY出身のギターヒーローだ。

http://iriebeer.net/2017/03/06/post-321/

http://iriebeer.net/2017/02/06/post-104/

 

 

中心人物でありボーカル・ベースのPhil Lynottは既に故人だが、ダブリンには銅像も建てられており、今でも命日にはファンたちがフィル・ライノットの活躍を偲ぶ様子が毎年SNSに上げられている。彼は世界で活躍する先人として、同郷のU2を発掘し、映画「Back To The Future」のテーマ曲ヒットで知られるHuey Lewis(彼の父はアイルランド系)を前座に呼ぶ(当時はヒューイのバンドCLOVER)など後進にも気を配った人だったという。

©tripadvisor

 

さて遠回りしてしまったのでTHIN LIZZYの音楽に切り込もう。

彼らの歴史を語ると止まらなくなるので、この曲”Black Rose: A Rock Legend”について。

この曲は1979年に発表された10枚目のアルバム「Black Rose: A Rock Legend」のタイトル曲だ。このアルバムはギタリストGary Mooreがカムバックを果たした作品。ゲイリーはTHIN LIZZY結成以前にPhilとバンドSKID ROWを組んでおり、またLIZZYの1974年 4枚目のアルバム「Night Life」にもゲスト参加し、名曲”Still In Love With You”を生み出していた。

 

そんな縁の深いギタリストが、満を持してアルバム全体に参加したということで当時のファンはさぞかし喜んだことだろう。

残念ながらGaryはこの作品の後すぐに脱退してしまうんだけども、ここでの成功を足掛かりにソロギタリストとして活躍し「顔で弾くギターヒーロー」として名を馳せていった。後年ハードロックなままブルースに回帰するんだけども、まぁこの時の顔ったら無い。これぞ泣きのギター。どこまで伸びるんだその音はというくらいのロングトーンを弾くおばちゃん顔のギタリストを僕らはいつまでも忘れない。ゲイリーは2011年に心臓発作で亡くなっている。

 

アイリッシュミュージックというと、フィドル(バイオリン)ギター、アコーディオン、フルート、さらにはバグパイプなどが加わって、単一のメロディを繰り返し演奏するスタイルが特徴的。あれですよ、映画「タイタニック」で出てくるみたいなヤツです。

 

このバグパイプのメロディが、エレキギターに代わって豪快に弾き倒されているのが”Black Rose”。ここまでTHIN LIZZYをアイリッシュ、アイリッシュと呼んできたけどここまで、ハッキリとアイリッシュな旋律が込められている曲は、彼らの曲でも珍しい。

 

調べてみると、中間部分のギターパートはどうやら伝統的なアイリッシュ曲のオンパレード。

LIZZYの曲の1分45秒からそのオンパレードは始まる。

 

“Will Ye Go Lassie Go” この曲はいま世界で一番売れてる男Ed Sheeranのカバー映像が見つかった。そうか、彼はイングランド出身ながらアイリッシュにも造詣深いのか。

 

そして”Danny Boy”。”You Raise Me Up”がトリノオリンピック フィギュアスケート荒川静香に使われて有名になったCELTIC WOMANもカバーしている。

 

そして”Mason’s Apron” これぞアイリッシュトラッド!畳みかけるフィドルに酔いしれるしかないのです。これをギターでよくぞ弾いてくれたものだ。

 

さらには来日公演が発表されたばかりのアイルランドの超老舗バンドTHE CHIEFTANSによる”The March of The King of Laois”

 

他にも何曲が取り上げられているようだが、これらを組み合わせてBlack Roseの中間部分は構成されている。

ここまでの元曲情報は象と城HPからいただいた。感謝感謝。

 

THIN LIZZYが1983年に解散した後もPhil LynottとGary Mooreはゲイリーの作品で共演しており、シングル”Out In The Fields”は全英チャート5位に入るヒットを記録した。

 

Philは翌年1986年にヘロインが元で亡くなっている。彼はコカインも常習していたドラッグミュージシャンだった。そうしたロックの象徴的行為も彼を神格化させている一因なんだろうね。36歳で駆け抜けた人生。しかし亡くなって30年以上経つ今でもこうして愛され続けているロックミュージシャンなのだ。

 

前述のPhilの銅像は2005年に建てられた。その時の記念コンサートでGary Moore and friendsが結成され、THIN LIZZYの歴代ギタリストとGaryが共演し、再びBlack Roseは演奏された。

この曲を共演したギタリスト Scott Gorhamの誕生日がSt Patrick’s Day 3月17日だということをトリビアとして足しておくw

 

PhilもGaryももうこの世を去ってしまったが、Scottほかのメンバーは今も現役で音楽活動を行っており、最後のTHIN LIZZYメンバーだった面々は現在BLACK STAR RIDERSとして活躍している。

 

彼らはLIZZYの曲も演奏しながら、新たなオリジナル曲も作り、前へと進んでいる。

LIZZYの魂は2017年の今も生き続けているのだー

 

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